「先輩の言っていることが全然わからない」「ミスが続いて職場に申し訳ない」「もう向いていないのかも」

4月に医療事務として入職したばかりの方、こんな気持ちになっていませんか?

この記事を読むと、こんなことがわかります。

✅ 最初の1ヶ月に「できる新人」なんていないこと
✅ 続く新人・辞めていく新人の本当の差
✅ 今日からできる5つの「折れない習慣」
✅ 先輩との関係を穏やかにするたった1つのコツ

結論から言うと、最初の1ヶ月を乗り越えるのは才能でも資格でもなく、「折れない工夫を持てたかどうか」だけです。


この記事を書いた人
ゆう|医療事務10年・採用担当経験者
総合病院で10年間医療事務を務め、採用担当として多くの新人を見てきました。続いた方も、途中で辞めていった方も。その差を間近で見てきた立場から、最初の1ヶ月のリアルをお伝えします。


10年前の、4月の話をさせてください

入職した初日の夜。病院の駐車場で車を止めたまま、ハンドルを握って、しばらく動けなかったことがあります。

別に、誰に何かひどいことを言われたわけじゃない。ただ、1日中、先輩の「それ、さっき言ったよね」という一言が頭の中でぐるぐる鳴っていて、家のドアを開ける気力が湧いてこなかったんです。

あのとき誰かに、言ってほしかった言葉があります。

「最初の1ヶ月は、できなくていいよ」

「頑張れ」でも「大丈夫」でもなく。ただ、できなくていい、って言ってほしかった。


「続く新人」と「辞めていく新人」の差は才能じゃない

採用担当として多くの新人を見てきて、ひとつだけ確信していることがあります。

最初の1ヶ月に「できる新人」なんて、ひとりもいません。

みんな、覚えることが多すぎて、わからない単語が飛び交って、先輩の機嫌を気にして、胸のあたりが重い。それが普通です。

続く人と辞めていく人の差は、才能でも資格でも向き不向きでもありませんでした。

続く新人 辞めていく新人
「折れない工夫」を最初の1ヶ月で持てた 完璧にやろうとして消耗した
できたことを1つでも見つけられた できなかったことばかり数えた
先輩のタイミングを見て質問できた 忙しい時間に立て続けに質問した
家に帰ったら仕事を切れた 夜まで仕事を引きずった

折れていくのは決まって、真面目で頑張る人です。不器用だからじゃない。周りに迷惑をかけたくない、優しい人だから抱え込んで壊れていく。


最初の1ヶ月を乗り越える5つの習慣

① わからない言葉は「その場でメモだけ」にする

医療事務の初日から、知らない言葉がシャワーのように降ってきます。算定、査定、返戻、包括、点数表、公費、労災……。全部、初日にちゃんと理解しようとしないでください。

コツは「その場で意味を聞く」のではなく、「メモだけする」こと。そして夕方の空き時間に「まとめて3つだけ」先輩に聞きに行く。

病院は個人情報の塊なので、基本的にスマホは持ち込めません。だから最初の1ヶ月は、胸ポケットに入る小さなメモ帳が相棒になります。

先輩に怒られるパターンの9割は、忙しいタイミングで立て続けに質問することです。「まとめて夕方に」するだけで、先輩との関係がびっくりするほど穏やかになります。


② 先輩3人の「話し方」を観察して、そっと真似る

入職して1週間、目の前の業務に必死になる前に、先輩を3人だけ選んで「話し方」を観察してみてください。

  • 電話に出るときの第一声
  • 患者さんに何か伝えるときの最初の一言
  • 同僚に声をかけるときのトーン

これをそっと真似るだけで、「この人、馴染むの早いな」と思われます。不思議なことに、話し方が似てくると、人間関係が一気に楽になるんです。


③ 月末月初の「レセ日程」を手帳に赤ペンで書く

医療事務の最大の山場は、月末月初のレセプト業務です。そこに向けて体と心を温存しないと、他の日の小さな失敗が積み重なって「私、向いていないかも」になっていきます。

入職して最初にやってほしいのは、紙の手帳に月末月初の日程を赤ペンで書いておくことです。スマホのカレンダーに入れても、フロアでは見られません。

時期 目印のつけ方
月末(20〜30日) 赤ペンで塗る
月初(1〜10日) 赤ペンで塗る
提出日(10日頃) ◎マーク

「あ、もうすぐ忙しい日なんだ」と先に知っているだけで、心の持ちようが全然違います。先輩のピリつきも、レセが終われば落ち着くと知っておくと、必要以上に自分を責めなくて済みます。


④ 退勤前に「今日できた1つ」をメモ帳の裏ページに書く

これは10年前の私が一番やればよかった、と今でも思っていることです。

新人の頃、退勤時の頭の中は「今日できなかったこと」ばかりです。「あの電話、取れなかった」「先輩にまた言われた」……そればかり数えていました。

1日を「今日できた1つ」で終わらせるだけで、翌朝起きたときの重さがほんの少し軽くなります。

やり方はシンプルです。①で使っているメモ帳の一番後ろのページを「できた1つ」専用にする。表紙側は業務の質問、裏表紙側は今日の自分の記録。この1冊で完結させるのがコツです。

「今日、はじめて保険証のコピーを1人で取れた」でも十分。3ヶ月後に見返したとき、「あ、私、こんなところから始まったんだな」と思える瞬間が来ます。


⑤ 家では、仕事の話を「1分で切る」

最後は、家に帰ってからのルールです。

しんどい時期って、家族に仕事の愚痴を話し続けてしまいますよね。わかります、私もそうでした。でも、吐き出せば吐き出すほど、夜の自分が病院に引きずられます。

だから、家に帰ったらまず白湯を飲んで、仕事の話は1分で切る。これだけ決めておく。「1分だけ聞いて」と家族に伝えておくのも、すごく効きます。

家の時間は、仕事の続きじゃありません。ちゃんと切ってあげてください。


よくある質問(FAQ)

Q. 先輩との関係がうまくいきません。どうすればいいですか?

まず質問のタイミングを変えてみてください。忙しそうなときは「あとで少しお時間いただけますか?」と一声かけてから。まとめて質問するだけで、先輩の反応が変わるケースがほとんどです。

Q. 覚えることが多すぎてパニックになります

全部を最初から覚えようとしないでください。最初の1ヶ月のゴールは「先輩のそばで動ける」だけで十分です。レセプトの知識は3〜6ヶ月かけて身についていくものです。

Q. ミスをしてしまって自分が情けないです

ミスは「記録して報告して、次の対策を考える」の3ステップで十分です。感情で責め続けても、ミスは減りません。対策を考えることに時間を使う方が、自分にも職場にも優しいです。

Q. 先輩が怖くて質問できません

「後でお時間いただけますか?」は魔法のフレーズです。これを使うだけで、先輩の反応が変わります。また「まとめて夕方に聞く」習慣をつけると、質問の時間を自分でコントロールできるようになります。

Q. 「向いていないのかも」と思い始めたら?

最初の1ヶ月でその感覚があるのは、ほぼ全員です。向き不向きの判断は、少なくとも3ヶ月後にしてください。覚えることが多すぎる時期は「判断できる状態」ではありません。

Q. 医療事務に転職したいけど未経験で不安です

未経験からでも十分入職できます。病院側も、未経験の方が研修で成長することを前提に採用しています。面接の準備については医療事務の面接で受かる人・落ちる人の記事をご覧ください。

Q. 残業が多くて体がもちません

最初の1〜2ヶ月は残業が増えることがあります。ただし、それが常態化している場合は職場の問題の可能性があります。体を最優先にしてください。


まとめ

  1. 最初の1ヶ月に「できる新人」はいない。折れない工夫を持てたかどうかだけが差になる
  2. メモ帳1冊・夕方まとめ質問・できた1つの記録、この3つで職場での消耗が減る
  3. 家に帰ったら仕事を切る。それがいちばんの「続ける技術」になる

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著者プロフィール
ゆう|医療事務10年・採用担当経験者・現フルリモート
総合病院で10年間医療事務を務め、採用担当として多くの新人を見てきました。現在はフルリモートで算定業務をしながら、3人の子どもを育てています。新人時代のしんどさを知っているからこそ、「折れないコツ」をお伝えしたいと思っています。
X(旧Twitter): @Yuuiryounimu

最終更新日:2026年4月19日